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ああああ

漫画・本・映画・演劇・その他コンテンツの感想を書く場としてがメイン。日本語の練習を兼ねています。

esを観た(NINEを観るのを諦めた)

esを観た。
有名なスタンフォード監獄実験を基にした映画(細部までが事実に沿って作られているわけではなく、フィクショナルに盛り上げどころは作ってある)。

この実験は、20人程度の被験者を、ランダムに8:12ぐらいで看守:囚人の役割に分けて、12日間生活させる。すると次第に看守は暴力的になっていき、囚人は従順になる。このとき元々持っていた個々人の性格には関係なく、一様にこの傾向が見られる(没個人化)。
この原因として、看守は「上から与えられたルールに従っているだけ」という、自分自身の倫理観とは違ったルールに従う「倫理的阻害」と、「自分たちは秩序を守っているんだ」という、「誤った正義感」の存在が大きいように感じられた。

14日間の精神実験なのだけど、開始から36時間で(ルール上は禁止されていたはずの)暴力が始まり、これが黙認されたことに味をしめた看守側は増長し、差別的発言やルールを逸脱した暴力を繰り返し、権力を乱用し始める。ただこれは、記者として潜り込んだ主人公が、懲りもせず囚人側を扇動したことも原因の一つだと思う。

というか、実験ではルーチンとして何を行う予定だったのかが不明確で、実験中は小競り合い(中盤から既に暴行の域に達しているが)ばかりしている印象。4日や5日の段階で無政府状態だったので、14日経っていれば多分全員死んでただろう。

観て数日経ってから思い返すと、報奨金のたかだか4000マルク(25万円)のために、集団で個人を侮辱したり、殺されても仕方のないような集団暴行を行うことが、果たして看守にとって正当化されていたのかと思うと甚だ疑問だ。彼らは狭い世界で手に入れた権力がいずれ終りを迎えるということを全く頭においていないようだったし、その世界が壊れてしまうことを何よりも恐れているように見えた。


最終的に人死にが出て、被験者同士が包丁で殺し合うような段になっても、看守は「お前が秩序を乱すからだ」と言い放つ。きがくるっとる。


実験それ自体のインパクトがあまりに大きいので、画面にはぐいぐい引きこまれてしまうが、陰鬱な実験シーンの合間に箸休めとして美女の自慰シーンが挟まれたり、実験主催者があまりに無能だったり、看守はちょっと残虐になりすぎちゃうかと思えたり、映画として素晴らしいかどうかは疑問。


「NINE」を途中で観るのを止めた。
「NINE」は、初期作は大ヒットを連発したものの、ここ最近はスランプの映画監督が、イタリアを舞台に、制作進行やプロデューサーから逃げまわり、愛人と寝て、妻を口説き、映画を夢想するも一文も脚本が書けず、女と踊り、仕事を思い頭を抱え…という筋書き。
たぶん映画の見所はイタリアそのもの。イタリアの風景や建築、めくるめく登場する美女たちとカッコイイオヤジ。
主人公が想像する映画シーンとして現れるセットは荘厳で美麗だし、そこで踊り狂う女性たちはみな美しいのだけど、英語字幕+英語セリフで見てたら、ミュージカルはイタリア語だし、話は全く進まないしで、見てて疲れた。

半分ぐらい見て止めた。